中小企業の社長が「絶対に」知っておきたい、法人税率の話

【2018年度以降最新版】
会社を経営していて利益が出るようになると、必ずついて回ることになる「法人税等」の税負担。

喜んで納付したいと思う人などいなく、1円でも少なくしたいというのが本音です。

 

しかし、利益がでると必ずどこかで「課税」というゲートを通過する仕組みになっており、お金を残すためには避けて通れない、と割り切ることも重要です。

 

ところで、法人が出した利益にかかる「法人税等」ですが、実際に何%課税されるのか、把握できているでしょうか?

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中小企業の「法人税等」の税率

中小法人(資本金1億円以下などの条件あり)に対する税率は、かなり以前から優遇があり、現在では所得の金額に応じて以下の通りになっています。

※2018年4月以降に開始する事業年度から、所得800万超部分の法人税率が23.4%⇒23.2%と僅かに下がり、下表が現行版です。

 

所得

~400万

所得

400~800万

所得

800万超

法人税 15% 15% 23.2%
地方法人税 0.66% 0.66% 1.02%
事業税 4.87% 7.30% 9.59%
県民税 0.48% 0.48% 0.74%
市民税 1.46% 1.46% 2.25%
表面税率合計 22.5% 24.9% 36.8%
実効税率  21.4% 23.2% 33.6% 

数値は、課税対象となる所得金額に対する割合です。

細かい税目ごとのパーセントは気にする必要はありません。

単純に所得にかかる法人税等の合計が、「表面税率合計」欄の数値です。

これに、税効果を加味した実質的な税率を「実効税率」といいます。

(税金のうち「事業税」だけは、いわゆる「経費」のように、所得からマイナスできるため、その点を加味したものをいいます。)

これらに加えて、利益の有無にかかわらず課される「均等割」という税金が、最低でも7万円発生します。

(資本金の額の規模などにより変動します)

 

一番注意すべきポイントは、800万円を超えるところから税率が10%程度上がる点です。

 

一昔前ですと、「法人税はざっくり40%」という感覚をお持ちの方も多かったですが、現在では特に800万円までの部分で20%台前半という低い率になっています。

 

法人税率は「低い」と考えるべき

「税金対策をしないと、法人税等の支払いで資金繰りが苦しくなる」と言って、節税対策などを勧めるお話しも世にあふれていますが、それは間違いなく「言い過ぎ」です。

 

利益に対して20数%という計算ですから、一時的な設備投資や、大きな借入金返済等がなければ、納税資金の捻出に苦労することはないはずです。

 

むしろ、資金繰りが苦しいのであれば、小手先の税金対策はせずに利益を最大化する方が得策です。

利益の80%近くがキャッシュとして残ることになるため、黒字を続ける限り次第に手元資金は潤沢になっていくはずです。

 

・役員報酬にかかる税・社会保険料(会社負担分を含む)

 ⇒35%程度

 

・個人事業の場合の所得税・住民税・事業税

 ⇒累進課税で最大50~60%程度まで

  所得が1000万円程度までであれば、目安として30%程度の負担率。

 

これらと比べても、所得800万円までの法人税率20数%というのは「低い」と割り切ることができると思います。

 

税金を意識するとすれば、所得が800万円を超えているかどうかという部分がポイントとなります。

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経営を安定させるポイント

・税金アレルギーをなくす

 「節税対策」の多くは、資金流出を伴います。

 経営が安定しない段階で「節税対策」に飛びつくと、思うように資金が残らず、少しの業績悪化で経営危機に直面するような弱い会社になってしまいます。資金を残すためには、税金アレルギーをなくすことも大きなポイントです。

 

・手元資金が潤沢になるまで、利益を最大化することを考える。

 借入金の返済がある場合などは特に重要になります。

  利益計上⇒課税⇒返済資金 です。

 実際には高いハードルの場合もあると思いますが、毎年の借入金返済額以上の利益を目標にしたいところです。

 

・利益を圧縮するために「経費」を増やす、は間違い。

 例えば100万円の経費を使うと、当然お金は100万円出ていきます。その結果税金が22万円減らせたとしても、100万円の資金流出は変わりません。感覚としては22%オフでお買い物ができた、という程度でしかありません。

 

 逆に経費を使わず税金を支払う場合、資金流出は税金22万円のみにとどまり、78万円のキャッシュが残ることになります。

 

 経営者としては、「ムダな経費を圧縮する」という方が正解ではないでしょうか?

 

・お金が残る節税を考える

 資金に少し余裕が出てきたら、「お金が残る節税」を考えます。

 小規模法人の3大節税である、

 ・倒産防止共済

 ・小規模企業共済

 ・確定拠出年金

 などを中心として、賢い節税の体制作りをすすめます。

 

以上、普段から税理士として多くの社長様にアドバイスしている内容です。

数年もすれば、財務体質に本当に大きな差が出てきます。

ぜひ意識してみてほしいと思います。

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