事業を起こし会社を設立すると、会社から自分(経営者)へ役員報酬を支給することになります。
サラリーマンよりも将来の見通しが立てにくい経営者。
できるだけ高めの報酬を設定し、生活基盤も安定させておきたいところです。
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役員報酬の手取り額を計算
そこで問題になるのが、「税金」と「社会保険料」です。
報酬を上げれば上げるほど、負担も増えていく「税金」と「社会保険料」ですが、ここでは役員報酬を月額100万円支給した場合の負担額、手取り金額を見てみます。
【月額】
役員報酬 1,000,000
健康保険料 57,085
厚生年金 56,364
社会保険料合計 113,449 (11.3%)
所得税 103,585 (10.4%)
住民税 67,900 (6.8%)
税金・社保負担合計 284,934(28.5%)
手取り額 715,066 (71.5%)
※カッコ内は給与に対する負担割合
【年間では】
役員報酬 12,000,000
社保合計 1,361,388
税金合計 2,058,700
手取り額 8,579,912 (71.5%)
会社負担の社会保険料 1,361,388
(税効果×70%とすると952,972)
個人負担と会社負担を合計すると、税金と社会保険料で実質年間4,373,060円の負担が発生します。
報酬1,200万円に対する負担割合は「36.4%」です。
社長としては、社会保険料の会社負担額も、自分が払っているのと同じ事ですから、負担感は非常に大きいです。
また、給与年収1,200万円規模以上の層に対する課税の強化は、近頃ますます強くなってきています。
給与所得控除額も平成29年にかけて減額改定が進んでおり、
平成29年度の税制改正大綱に挙げられた「配偶者控除」の見直しについても、年収1,220万円超で配偶者控除がゼロになるなど、この層にはかなりの「増税」になっています。
お金を残す「賢い節税」対策が大事
1200万円もの役員報酬を支給すること自体、大変なことです。毎期継続していける自身などとても持てないかもしれません。
そんな中支給した役員報酬にこれほどの額の負担が加わると、モチベーションにも影響しかねません。
そこで考えるのが、「賢い節税」対策です。
実質的には1,200万円規模の報酬を維持しながら、課税される所得を減らしていく対策です。
- 小規模企業共済
- 確定拠出年金
- 最終的に個人受け取りになる生命保険
- 社宅制度
- 出張旅費規程 など
これらを状況に応じて最適に組み合わせていくことにより、税金と社会保険料の負担を半分にすることも十分可能です。
一度仕組みを作ってしまえば、後はほとんど手間はかからず、年1回程度金額や方向性を確認するぐらいでも十分です。
まずは黒字経営を目指すこと。そして役員報酬や従業員給与も上げれる強い会社を作ること。
そして次は、このような「お金の残る」税金対策の実施をサポートしていくことが、税理士の大きな役割のひとつだと思います。
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