決算ぎりぎりになって、利益が出そうだから車でも買ってみようと思う。
こういう話をよく聞きます。
本当に節税対策として有効でしょうか?
車などの固定資産で、基本30万円以上となるものは、購入した時点で全額が経費になるわけではありません。
「減価償却」という言葉を聞いたことがある人も多いと思います。
車のように長期間使える資産については、使える期間に応じて時の流れに合わせて経費化(減価償却費)していく、という取扱いになっています。
そこで、具体的な減価償却費の計算を見ていきましょう。
ポイントとなるのは、「新品で購入した場合」と、「中古を購入した場合」の違いです。
3,000,000円の車を購入した場合で見てみましょう。
<新品の場合>
通常の乗用車であれば、税金計算上、耐用年数が「6年」と定められています。
したがって、自動車の購入費用は、6年にわたって徐々に経費化されます。
具体的には、使用した月数単位で按分計算されます。
ですので、たとえば年度の中間ぐらいに車を購入した場合、6月分しか経費として算入できないことになります。
償却費の計算
1年目 3,000,000×0.333×6/12=499,500円
※0.333という数字は、「定率法」という方法で計算した、耐用年数6年の資産の償却率です。
300万円支出したとしても、約50万円程度しか経費にすることができません。
<中古の場合>
中古資産の場合は、新品に比べて既に消耗していますので、それを考慮した耐用年数を見積もることになります。
その計算式が、
(新品の耐用年数-経過年数)+経過年数×20% となります。
※最低2年
例えば、4年落ちの車の場合、次の通り、耐用年数は「2年」と計算されます。
(6年-4年)+4年×20%=2年(小数点以下を切り捨て)
そして、「定率法」による耐用2年の償却率は、「1.0」になります。
なんと、1年間で全額償却できることになります。
上記の新品と比較すると、
1年目で 3,000,000×1.0×6/12=1,500,000円
約3倍の、150万円を経費にすることができます。
もちろん、経費化できるスピードが違うだけではありますが、当面の税負担を軽減したい場合、中古資産の購入を検討するのもよいと思います。