ある程度の設備投資の必要な事業であれば、やはり借入金を活用するケースは多いです。
自己資金を貯める場合に比べて得られる時間短縮、レバレッジ効果など、上手く活用することができれば、借入金にも大きなメリットがあります。
しかし、当然ながら借入金の割合が高まると、経営環境の変化に弱くなり、経営のリスクは大きくなります。
それでは、いくらまでなら借入金を増やしてもよいのでしょうか?
業種や自己資金、事業の利益率にもよりますが、目安として挙げると、
借入金月商倍率=6倍以下 を限度と考えましょう。
やはり、倒産する会社の共通点としては、借入の割合が増大していることが挙げられ、月商倍率では6倍以上になっているところがほとんどです。
例えば、
月商200万円の飲食店。変動費60万円で固定費が120万円で、ひと月の利益が20万円。
借入金は1200万円(月商倍率6倍)
返済期間が10年とすると、毎月の返済額は10万円となります。
この状態なら、利益20万円-返済10万円=残10万円で、なんとかキャッシュは回ります。
ところが、競合店の増加により、売上げが5%ダウンしました。
すると、
売上190万円-変動費57万円-固定費120万円=利益が13万円に減少します。
たちまち返済でキャッシュはギリギリの水準になります。
それなりにキャッシュのストックがあれば良いのですが、5%の売り上げの変動で窮地に追い込まれるのは、やはり経営体質として不安があります。
現在6倍以上となっている場合、リスクを認識し、気を緩めず財務体質改善に努めましょう。
目標は2~3倍ぐらいの水準と考えればいいと思います。