マンション管理費・修繕積立金の損金算入と消費税の取扱いを徹底解説

分譲マンションを購入・所有していると、マンションの管理組合に毎月支払うことになる管理費と修繕積立金。

 

そのマンションを賃貸に出したり、事業用に使ったりする場合に注意したい経理処理について解説します。

 

ポイントは、

経費になるのか?

消費税の取り扱いは、課税?対象外?

 

という点で、実は間違いやすい取扱いになっています。

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管理費・修繕積立金は支払時に損金算入可能

毎月支払う管理費と修繕積立金について、賃貸や事業用に使っている場合、やはり経費にできるかどうかは気になるところです。

 

結論から言うと、マンション管理組合に支払う管理費も修繕積立金も、基本的にその支払時に損金算入(必要経費に算入)できます。

 

管理費については、マンションの日々の管理に必要な費用というイメージから、直観的にも間違いなく経費になると判断できるでしょう。

 

一方、修繕積立金の方は、将来の大きな修繕費用に使うために積み立てていくお金なので、支払時に経費として処理するか、積立金として資産計上するか、判断に悩むポイントだと思います。

 

この点については、国税庁の質疑応答事例にも記載があり、次の通り判断が示されています。

 

◆原則:支出時ではなく、実際に修繕が行われた時点で必要経費に算入

 

◆次の要件を満たせば:支払時に損金算入可能

 

 ① 区分所有者となった者は、管理組合に対して修繕積立金の支払義務を負うことになること

 ② 管理組合は、支払を受けた修繕積立金について、区分所有者への返還義務を有しないこと

 ③ 修繕積立金は、将来の修繕等のためにのみ使用され、他へ流用されるものでないこと

 ④ 修繕積立金の額は、長期修繕計画に基づき各区分所有者の共有持分に応じて、合理的な方法により算出されていること

 

実際この要件は、日本のほとんどの分譲マンションの区分所有で該当する内容になっています。

 

分かりやすく言うと、

平米数などに応じて負担額が決まっていて、必ず支払う義務がある。一度払ったものは返金されない。

という要件です。

 

その場合、支払いの都度経費に計上することが可能となるので、修繕費などの経費の科目を使って毎月処理していきましょう。

 

勘定科目は、経費の科目であれば深く悩む必要はありませんが、次の通りで良いと思います。

管理費=「管理費」又は「支払手数料」など

修繕積立金=「修繕費」など

 

※以上の要件があるため、例えば自社ビルの将来の修繕のために自主的に積み立てているお金などを損金として処理することはできませんのでご注意ください。

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消費税は管理費も修繕積立金も「不課税」

こちらは大変間違いやすいポイントですが、マンション管理組合に支払う管理費も修繕積立金も、今のところ消費税に関しては課税対象外(不課税)という解釈になっています。

 

法人税・所得税の取り扱いでは損金算入(必要経費に算入)が認められていながら、消費税については仕入税額控除の対象とは認められていないのです。

 

修繕積立金はともかく、管理費についても不課税とするのは、実務的にもかなり違和感がありますよね。

何の疑問も持たずに課税仕入れとして処理してしまっているケースがとても多いと思います。

 

管理費・支払手数料・修繕費などの勘定科目は、普通は課税仕入れ該当の取引が多い科目なので、会計ソフト入力時には注意が必要です。

初期設定として「課税仕入れ」が設定されていると思いますので、わざわざ仕訳入力時に「対象外」に変更する必要がでてきます。

 

・一応裁判でも判断が示されていて、

区分所有者が支払義務を負う管理費と、管理組合が行う管理業務が対応関係にあるとは言えない、管理組合からの役務の提供に対する反対給付に当たらない、として仕入税額控除が否定されています。

 

仮にマンションの所有者が個別に直接業者へ管理を委託した場合、その管理委託料は当然に課税仕入れに該当します。

 

一方、管理組合を介する場合不課税になるという解釈は、釈然とするものではありませんが、現行の消費税法の解釈として認識しておく必要はあります。

 

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