社長が社宅を活用した場合の驚きの節税効果・注意点・自己負担水準は?

会社を設立した場合の節税対策の一つとして「社宅」の活用があり、うまく活用することで驚くほどの効果を発揮します。

 

社長だけに社宅を提供する場合や、社長1人の会社でも適用でき、

 

・社長が現在賃貸マンション(戸建でもOK)に住んでいる場合

・会社所有の物件に住んでいる場合

 

に活用できる可能性があります。

社長個人の持ち家に住んでいる場合は適用できないので注意が必要です。

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社宅制度で所得税・住民税・社会保険料が削減できる

ここでいう社宅制度とは、社長(もちろん従業員でもOK)個人が賃貸マンションを契約して賃料を払うのではなく、

会社が代わりに契約して賃料を払い、社長又は従業員へ社宅として提供する制度です。

 

社長は会社へ社宅使用料を支払う必要がありますが、一定の条件をクリアする社宅であれば、その使用料は10%~20%程度に収まることが多いです。

 

会社から社長へ給与を支払うと、当然所得税・住民税・社会保険料がかかってきます。

ここに社宅制度を導入し、給与の代わりに会社が家賃を支払う、という仕組みを作ります。

 

この「給与の代わりに」の部分が節税効果を発揮します。

 

◆例えば、年収720万円(給与月額60万円)の社長に社宅制度を導入し、

賃料月10万円を会社が支払い、その代わりに給与月額を10万円減額するケース。

【従来】 【社宅導入後】
年収  720万 年収  600万
所得税・住民税合計 70万 所得税・住民税合計 48万
 社会保険料(労使合計)210万  社会保険料(労使合計)180万

 

このように、税金と社会保険料合計で52万円もの削減効果が生じます。

※社長にとっては会社負担の会社負担分も自身の出費と同様なので、計算に含めています。

 

そもそも個人が払っていた家賃を会社が払うことになるだけなので、追加で出ていくお金もありません。

純粋にこの52万円が節税効果になるのです。

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自己負担額(社宅使用料)の水準は?

社宅制度の注意点の1つに、自己負担額(社宅使用料)の設定の問題があります。

 

解説書の中には、実際の賃料の50%にしていれば大丈夫。という記載もありますが、厳密にはもっと大幅に自己負担額を抑えることができます。

 

これは、社長個人から会社へ、社宅の使用料として毎月支払う金額、という意味です。

給与から天引きしてもOKですが、所得税等の課税対象には入ります。

 

この社宅使用料は会社側で収入に計上する必要があり節税メリットが出ない部分になるため、できるだけ抑えられる方が良いところです。

 

公式の通達でも計算式が示されており、「小規模住宅等」という基準に当てはまれば、次の計算式で自己負担額を計算することが認められています。

次の3つの合計額

①家屋の固定資産税の課税標準額×0.2%

②12円×家屋の総床面積㎡/3.3㎡

③敷地の固定資産税の課税標準額×0.22%

 

②は小さい金額にしかならないので、ざっくりと「土地と建物の固定資産税の課税標準額の0.2%」ぐらい、というイメージです。

 

これが実際の賃料相場の10~20%程度になることが多いのです。

 

この計算式で重要な「固定資産税の課税標準額」を知るためには、市区町村役所で「固定資産評価証明書」という書類を取得すると確認することができます。

 

賃貸契約書などを持参すると、賃貸人であっても取得することができます。

 

これを確認し、厳密に計算することをおすすめしますが、物件の客観的な数字等から概算で計算し、およそ10%~20%の水準が算出されれば、それを用いても実害は少ないと思います。

自己負担額(社宅使用料)が少なかったら?

多い場合は問題になりませんが、少ない場合、又は使用料を徴収していない場合は問題が出てきます。

 

その場合には、その足りない部分が「給与」とみなされて、所得税・住民税が課税されることになります。

 

国税庁でもこの部分は明確に示しています。

国税庁タックスアンサー

3 給与として課税される範囲

(1) 役員に無償で貸与する場合には、賃貸料相当額が、給与として課税されます。

(2) 役員から賃貸料相当額より低い家賃を受け取っている場合には、賃貸料相当額と受け取っている家賃との差額が給与として課税されます。

(3) 現金で支給される住宅手当や入居者が直接契約している場合の家賃負担は、社宅の貸与とは認められないので、給与として課税されます。

 

この「賃料相当額」というのは、上記で示した計算式の金額なので、それほど大きな金額にはならないはずです。

実際に大家さんに支払っている賃料ではないのでご安心ください。

 

また、毎月同額なので、定期同額給与扱いとなり、法人の経費として否認されるリスクも少ないです。

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要注意!小規模住宅、会社が直接賃貸契約を結ぶ

上記で解説した自己負担額の計算式は、

「小規模な住宅」に該当すること。

「豪華社宅」に該当しないこと。

 

が前提条件になります。

これから外れると、かなり高額な自己負担額を求められますので、ここは必ず確認しましょう。

 

小規模な住宅とは、木造住宅なら床面積132㎡以下、木造以外なら99㎡以下の住宅をいいます。

 

豪華社宅は、小規模の面積基準をクリアすれば基本的に該当ないと思いますが、プール付きであったり、通常考えられない設備を有するものなどをいいます。

 

また、時々誤解があるのですが、他の注意点として、

賃貸契約は必ず大家さんと会社が直接締結し、大家さんへの賃料は会社が直接全額支払ってください。

そして、社長から社宅使用料を徴収します。

社長個人に「住宅手当」のような形で支給してはいけません。

 

以上のように、契約形態を変えるだけで大きな効果を生む制度になります。

契約変更などに手数料がかかるケースも多いですが、すぐに補える効果が出るはずです。

 

該当する状況にある方は、一度検討してみてはいかがでしょうか?

 

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