社会保険料の延滞金は損金算入(経費)できますか?利率や勘定科目は?

中小企業にとって、社会保険料の負担はとても大きいものです。

役員報酬と従業員の給与の約30%(労使合計の金額)を毎月支払う必要があり、やむを得ず滞納になっているケースも見かけます。

社会保険料を延滞すると、後日延滞金が課されますが、これについてよく質問を受ける次の事項について解説したいと思います。

 ・損金算入・経費にできるのか?

 ・利率はどれくらいかかるのか?

 ・勘定科目は?

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社会保険料の延滞金は損金算入できる。

法人税は、延滞税や加算税、罰金などに対して取り扱いが厳しく、損金算入できないものが多いです。

 

事業活動の中で出てきた費用なのになぜ損金算入できないの?

という疑問がわいてきますよね。

 

もちろん国も勝手な判断で「経費にしません!」ということはできないので、損金算入できないものを法人税法の中で特別に定めています。

 

法人税法55条~抜粋~

次に掲げるものは、損金の額に算入しない。

国税に係る延滞税、過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税及び重加算税並びに印紙税法の規定による過怠税

地方税法の規定による延滞金、過少申告加算金、不申告加算金及び重加算金

・罰金及び科料並びに過料

 

原則は損金算入可能だけど、ここに挙げるものだけはダメです!という規定の仕方になっています。

(「限定列挙」といいます)

 

なので、この中に挙げられていない「社会保険料の延滞金」は、問題なく損金算入できる。という解釈になります。

 

社会保険料の延滞金の利率は?

税金の滞納とほぼ同じなのですが、これがかなりの高率です。

 

通常、社会保険料の納付期限が過ぎても納付しない場合、「督促状」が送られてきます。

この督促状には「指定期日」が書かれていて、その期日までに納付すると延滞金がかからない、という猶予があります。

そしてこれを経過すると、次の割合で延滞金が計算されることになります。

 

納期限から

3か月以内

3か月超

2016年(平成28年) 2.8% 9.1%
2017年(平成29年) 2.7% 9.0%
2018年(平成30年) 2.6% 8.9%

本来の納期限の翌日から実際の納付日の前日まで、上記の割合の日割り計算で算出されます。

 

ゼロ金利時代にこれだけの高率がかかり続けてしまうので、事業の再建がますます難しくなります。

何とかして避けたいところです。

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社会保険料の延滞金の勘定科目は?

一般的には「租税公課」か「法定福利費」といったところですが、会社として管理しやすい科目で継続して経理しておけば、実質的には問題ありません。

 

私は基本的に「法定福利費」で処理しています。

発生元が法定福利費で、損金にも算入されるため、あわせて法定福利費で管理するのが一番シンプルで分かりやすいと思います。

 

これを「租税公課」とすると、法人税の申告書別表5(2)にも集計が必要となるし、他の損金算入できない税金の延滞金とも区別する必要が出てきたりと、面倒が増えてしまいます。

 

同じ利息的な性質のものであっても、勘定科目としては、

・税金系の滞納   =租税公課

・社会保険料の延滞金=法定福利費

・銀行借入利息   =支払利息

でそれぞれ区別しておく方が管理上はすっきりします。

 

 

このように、できるだけ避けたい「延滞金」ですが、生じてしまった場合は正しく処理していきましょう。

知らずに損金不算入になっている、などという事例もあったりするため、注意が必要です。

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