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Q1. 決算申告しないとどうなりますか?

A1. 当事務所でも時々、何年も申告をしていない会社からご相談を受けることがあります。

 

会社を設立して1~2年申告していなくても、何事もなく過ぎていくことも多いですが、しっかり事業活動を行っていながら3~4年もすると、税務署から指摘を受け、結局は申告を行うことになります。

 

通常の場合、過去5年分にわたって申告しなければならなくなります。

そこから決算書・申告書をまとめあげる労力も大変ですが、発生する税金についても、通常の税金に加えて無申告であったペナルティとしての加算税や延滞税が追加され、本来の1.5倍以上の納付額になるケースもあります。

 

たちまち資金繰りに窮することにもなりかねず、青色申告などの税制の優遇も受けられなくなることもあるため、決算・申告は期限内に行っておくべきです。

 

もちろん、小さな会社でも利益の出ていない会社でも、会社として活動している以上、法人税の申告義務はあり、指摘を受ける可能性は十分あります。

 

赤字であっても消費税の納付が発生する会社は多いため、数年分の納付一度にくると大変です。

 

Q2. 会計上の利益と税法上の利益が違う、とは?

A2. 法人税は毎期の会社の利益に対して課されますが、決算書上の利益金額をそのまま使って計算するわけではありません。

 

「会計」は会社の経営成績や実態を正確に表すため、「税法」は公正な課税を行うため、というようにそれぞれ目的が違います。

そのため、決算書上で費用に計上したものでも、税法上は費用(「損金」といいます)として認められない、といったケースが出てきます。

 

代表的な例を挙げてみます。

 

■役員報酬の一部

 役員報酬が損金として認められるには、実は厳しい制限があります。大まかに言うと次のものしか損金として計上することはできません。

  ・毎月同額の給与

  ・事前に税務署に届け出た賞与

  ・不相当に高額でないもの

 「思っていた以上に利益が出そうだから決算直前に社長にボーナスを出した」場合、決算書上は役員報酬となっても、税法上損金にはなりません。

 

■延滞税・加算税など

 税金を滞納したり、税務調査で加算税を課された場合、もちろん「租税公課」として経理しますが、これらは損金として算入できません。

消費税の滞納や分割返済などで延滞税もかさんでくると、法人税の計算の面からも大変苦しくなってきます。

 

■一定額を超える寄付金

 寄付金が損金と認められる範囲はとても狭いです。

 

■関係会社や経営者との間の取引の一部

 会社の利益調整のために、関係会社や経営者との間で不公正な金額での取引が行われることがあります。一般の相場とかけ離れた金額水準での取引は、指摘を受ける可能性が高くなります。

 

■評価損や貸倒損失の一部

 税法独自の基準に当てはまらないものは、決算で計上しても損金不算入になってしまうことがあります。

 

※これら以外にも、損金として認められる年度が違ったり、思っていた税額と違った結果に見えることもしばしば出てきます。そのあたりも考慮した納税額予想が重要になってきます。

 

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Q3. 決算書を仕上げるポイントは?

会社の決算書を作るためには、何か特殊な能力が必要なのでは… とお思いの方も多いと思います。

期中の会計入力までは行っていても、決算整理・確定は税理士にお願いしている。というケースが多いです。

もちろん中小企業では、効率性やチェック機能の面からも、決算は税理士に任せる方が良いと思います。

 

それでも決算を確定するためには、会社側の書類整理などの協力が不可欠ですので、決算のポイントをいくつか挙げておきます。

 

■売上・仕入が最重要

やはり売上と仕入の金額が一番重要になります。

売上の計上もれはないか、仕入や原価率に異常はないか、といったことは税務上でも重要です。

後々でも数字の照合ができるように、請求書の控えや、集計表、売掛金・買掛金の管理表などを整理しておきましょう。

 

■仮払金などの不明な残高が残っていないか

内容不明な入出金がそのまま放置されていると、決算時期に処理方法が決まらず大変な苦労をすることになります。

入力を税理士に委託している場合、税理士としても普段から不明残高が残らないよう注意しています。

 

■資産・負債の科目残高をチェック

最終的にはこれが決算をまとめるポイントになります。

決算の際、資産・負債の各科目の残高の内訳をひとつひとつ固めていく作業が出てきます。

減価償却費の確定や、長期前払費用の償却などの決算整理も入りますが、売掛・買掛や預り金、未払金など、期中使用する科目についてもある程度残高管理ができていると、決算処理が大変スムーズになります。

 

資産負債に残るような取引があれば、その明細書類などはわかりやすく保管しておきましょう。

(機械や車の購入明細、借入金の返済予定表、賃貸契約書など)

 

これが、申告書類の中の「勘定科目内訳書」というものにつながっていきます。

 

Q4. 税務署には決算時に何を提出するの?

会社が税務署に法人税の申告を行う際、どんな書類を提出しているのでしょうか?

 

決算の際、会社の1年間の全取引を記録した「仕訳帳」や「総勘定元帳」を会計ソフトなどで作成しますが、これら帳簿類は税務署には提出しません。

(税務調査の際には「総勘定元帳」をめくりながら確認が入ります。)

 

税務署に提出する主な書類は次の通りです。

 

■法人税の確定申告書

決算書上の利益金額からスタートして、どのようにして法人税額を計算したのか、その過程や明細が記載されています。内容によっては10~20枚以上のボリュームになることもあります。

 

■勘定科目内訳明細書

決算時の資産・負債の各科目の内容明細がまとめられた書類です。

きっちりまとめておくと、会社の決算内容の確認・管理にも大変役立つ資料です。

 

■法人事業概況説明書

会社の状況、役員・従業員の状況、海外取引の有無や主要な決算書項目などをまとめた書類です。

一見すると何でもない書類ですが、実は侮れません。

 

国税では、この書類の内容をデータ化して、税務調査先の選定などに利用しています。

だからといって細工を施すことはもちろん不可能ですが、末尾に「当期の営業成績の概要」というフリー記入欄があります。

あまり記載されていることが無いかもしれませんが、前期までと大きく変わった数字などがもしあれば、こちらに内容を記載することで、あらぬ疑いをかけられる可能性を減らせるかもしれません。

 

■決算書データ

貸借対照表・損益計算書などの財務諸表の確定数値を送信しています。

 

※固定資産の明細は、提出したりしなかったり、まちまちの状況です。

※その他、消費税があれば消費税の申告書を、都道府県や市町村にもそれぞれの申告書を提出しています。

 

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